ダイエット・減量の停滞期対策|原因はカロリー制限の仕組みと栄養バランスの乱れ

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ダイエット停滞期の仕組みと減量を効率化するポイント

痩せるために食事を制限し、順調に落ちていたはずの体重が突然ビクとも変化しなくなった、そんな経験はありませんか。

ダイエットや減量に取り組む人が、誰でも経験するのが「停滞期」です。

体重減少が停滞してしまうのには原因ががあります。

なぜ停滞期が来るのか、そのメカニズムを知らないと、ダイエットがうまくいかない自分を「痩せにくい体質だから」とか「努力が足りない」と責めたい気分に陥ってしまいます。

また停滞期のメカニズムを知ることで、我慢を強いる辛いダイエットは、決して成功への近道ではないこともわかります。

ここでは、停滞期のメカニズムとともに、効率的なダイエットのために知っておきたいことをまとめます。

ダイエット・減量の停滞期の仕組み

ダイエットの停滞期とは

ダイエットの停滞期とは

ダイエットの基本は、摂取カロリーを消費カロリーよりも減らすことです。

入ってくるカロリーと、使うカロリーの収支がマイナスになれば、体重は減ります

「食べると太る。食べなければ痩せる」ということは容易に想像できるので、ダイエットを志す人は、まず食べる量やカロリーを減らすという常套手段をとります。

摂取カロリーを減らし収支がマイナスになれば、貯蓄分を切り崩すことになるので当然痩せます。

ところがカロリー制限を続けると、なぜかある時から体重が落ちなくなる、これがいわゆる「停滞期」です。

摂取カロリーを減らしているのにも関わらず、体重の減り止まり「停滞期」はなぜ起こるのでしょうか?

カロリー制限の問題点はホメオスタシス

カロリー制限の問題点

収入が減って貯蓄を切り崩すような経済状態になれば、支出を控え、家計の破綻を食い止めようとするように、私たちの体には、カロリー制限に伴う破綻を防ぐため「ホメオスタシス」(生体恒常性)と呼ばれる機能が備わっています。

「恒常」とは常に同じ状態であること、つまり生体恒常性とは、体の機能を一定に保つということです。

例えば、体温。

私たちの体温は、若干の変動はあっても年間を通じてほぼ一定です。

他にも、血圧や血糖値が一定であることや、自律神経の調節、怪我をしても傷が治ったり、体内に侵入した病原菌を排除するなど、外部からの環境変化に対して私たちの体を正常に維持する機能がホメオスタシスです。

食事による摂取カロリー減少という外的変化が生じると、体を守るためにホメオスタシス機能が働きます。

食べ物から摂取するエネルギーは、生命を維持するために欠かせません。

摂取カロリーが減ると、体は代謝を低下させることで消費カロリーを抑え、生命の危機を回避しようとするのです。

これが「停滞期」の正体です。

「摂取カロリー減少=体重減少」という図式でダイエットを捉え、ひたすらカロリーを減らしているとホメオスタシスが働き、「こんなに食べ物を減らしているのに、なんで体重が減らないの〜!?」という状態に陥ってしまいます。

食べるのを我慢して頑張っているわけですから、それが報われないことで不安に陥ってしまうこともあるため、停滞期は、こうしたメンタル面へも影響して、ダイエットを阻む要因になります。

ホメオスタシスは太ることのストッパーとしても働く

ホメオスタシスは太ることのストッパーとしても働く

逆の視点に立てば、ホメオスタシスは体重増加にもストップをかけます

食べ過ぎるとホメオスタシスが働き「レプチン」いう食欲を抑えたり、脂肪の分解を促すホルモンが分泌されます

レプチンの他にも食欲をコントールする「アディポネプクチン」や脂肪の分解を促進する「リポタンパクリパーゼ」「アディポーズトリグリセリドリパーゼ」などが分泌されます。

こうしたホルモンが正常に分泌されることで、体重はある程度自然にコントロールされています。

自分はカロリー制限をして頑張っているのに、いつもパクパクと美味しそうに食事をしている友達がスリムなのを見て、「不公平だ!」と思ったことはありませんか?

健全な食事をとっていれば、ホメオスタシスにより食べ過ぎや脂肪の合成にストップがかかるのです。

こうした点から考えると、停滞期を回避する、あるいは効率的に痩せるには、単に「カロリーを減らすだけの」ダイエットを一度見直さなければいけません。

停滞期はいつくるのか、何を注意すべきか

一般的にはダイエットを開始して、体重の5%程度(体重60kgの方なら3kg)減ったあたりから停滞期が始まるようです。

このタイミングで注意すべきことは、体重が減らないことに焦り、さらに摂取カロリーを減らさないようにすることです。

カロリー不足のために、体の恒常性維持機能が危機感を察知して、代謝を抑え体重減少にストップをかけているのですから、このタイミングでさらなるカロリーダウンは、NGです。

また、同様の理由でむやみやたらに運動量を増やしても、思うような効果は得られないでしょう。

体内環境が、カロリー消費にストップをかけようとしているので、食べる量を減らしたままで運動量を増やすと、さらなるカロリー不足が生じて、ホメオスタシスの働きで、やはり体重減少にストップがかかってしまいます。

また、体重が減らないからといって、食事回数を減らすのもNGです。

食事を摂った後に体が暖かくなる経験をしたことがあると思いますが、これは食事を摂ることで、エネルギー消費量が増加する「食事誘発性熱産生」のためです。

食事をすることで、食べ物を噛んだり、消化吸収するのに伴い、エネルギーが消費されるのです。

1日のエネルギー消費量の10パーセントを占めると考えられているので、バカになりません。

ちなみに、よく噛むことで、エネルギー消費量を高め、脂肪を減らす働きを持つ「褐色脂肪酸」も活性化すると考えられています。

よく噛んで食事誘発性熱産生を高めるチャンスを増やすためにも、食事回数を減らすというのは決して得策ではありません。

停滞期対策としてのチーティング

チーティングで騙しのテクニック

ホメオスタシスが働き、体重が減らなくなったらどう対処すれば良いのでしょうか。

キレキレの筋肉を見せるために極限まで体脂肪を減らしつつも、筋肉量はしっかり維持するボディビルダーの減量方法には、たくさんのヒントがあります。

摂取カロリーが減ったせいで代謝が落ちて痩せないなら、代謝をあげれば良いわけで、そのために使うテクニックの一つが「チーティング」です。

「チート=cheat」とは「騙す」という意味。

カロリー制限のために、省エネモードになっている体を騙して、再び体重減少モードに切り替えさせるテクニックです。

体重減少が停滞したタイミングに、一時的に高カロリーを摂取すると、体は危機を脱したとみなして代謝を向上させます。

一時的な高カロリー摂取で体を騙し、体重減少にストップをかけていたホメオスタシスを解除させるのです。

1〜3日程度チーティングを行なったら、再びダイエットモードの食事内容に戻します。

チートディの翌日は、一時的に体重が増えますが、その後再び体重減少が始まります。

チーティングの際に、自分の好きなものをたっぷり食べるという人もいますが、できるだけジャンクフードなどは避けて、クリーンな食事内容でカロリーを増やすことが望ましいです。

具体的には次のような方法です。

  • ダイエット食では制限していた炭水化物を、トレーニング前後や活発に動く時間帯に増やしてみる。
  • ダイエット食と内容は変えずに、摂取する総量を増やす。

トップクラスのボディビルダーは、チートデーもクリーンな食事内容を維持しているようです。

甘いものは中毒性が高いこともあり、スイーツ類はあまりお勧めできません。

もっと食べたいという欲望から過食に繋がりやすくなります。

甘いものやジャンクフードをチートデーに食べると、再びダイエットモードに戻るのが難しくなってしまうこともあるので注意が必要です。

チートデーは美味しいものを食べるご褒美の日ではないことを肝に命じておきましょう。

チーティングが必要か見極めよう

チーティングを行う前に、自分のダイエットを振り返って見ましょう。

チーティングが有効なのは、ホメオスタシスが働いてしまった時、つまり、「摂取カロリー<消費カロリー」であるにも関わらず、体重が減らなくなった場合です。

摂取カロリーを減らしていたからこそ、1〜3日のチートディが有効になるのであって、カロリーを十分とっていた人がチーティングをしても意味はありません。

むしろカロリーの過剰摂取で太ってしまいます。

「食べていないつもりで結構食べていた」ということがないように、まずは食事記録をしっかりとつけて、体重の増減と食行動を客観化できるようにしておきましょう。

チートデイは効果ある?頻度やタイミングなどの最適解を考えてみる
こんにちは。 夏にむけて減量中です。今日1日の食事メニューは以下です。 コンビニ弁当 定食 つけ麺300g ハーゲンダッツ 松屋の焼き肉定食 チャンキークッキーフラペチーノ(スタバ) 減量は順調です。何でかって?チートデイだからです。

痩せなくなった理由は栄養バランスの乱れにもある

カロリー制限は、ホメオスタシスによる停滞期を引き寄せますが、栄養バランスの乱れも生じやすいので注意が必要です。

例えば、糖質を代謝しエネルギーに変換するためにはビタミンB1が必要です。

たんぱく質の代謝にはビタミンB6、脂質の代謝にはビタミンB2が必要です。

3大栄養素を脂肪に変えずにエネルギーとして使い切るには、ビタミンB類が不可欠なのです。

カロリー制限を重視した食事を続けていると、食べ物の品目が少なくなりやすく、その結果ビタミンなど体のコンディションを整える栄養素が不足しがちになります。

「食べてないのに痩せなくなった」と言う場合、ビタミンB群の摂取が充分かどうか確認してみましょう。

改善には、食品の選択が鍵を握ります。

  • 主食は、白いパンやご飯ではなく、ビタミンB群を多く含む玄米や胚芽、全粒粉パン、そばなどを選ぶ
  • ビタミンB群を豊富に含む豚肉などのたんぱく源を取り入れる

玄米などの穀類は、血糖値の上昇が緩やかで、腹もちも良いので、ダイエットという観点では最適の食材です。

サプリメントなどで不足を補うのも手ですが、食べ物から効率的に摂取してみてはいかがでしょうか。

ダイエット・減量の停滞期を脱出しよう

ダイエットの停滞期を戦略的に乗り越えるには、食事記録をつけて自分の食行動に自覚的になることや、栄養バランスに気を使うこと、体重の増減に注意を払い、こまめに対処することが必須です。

このようにして自分の食べ方に自覚的になることができれば、一時的なダイエットに成功するだけでなく、太りにくいライフスタイルを実現することができるでしょう。

短期間で大幅にカロリーを減らして痩せるのとは違い、リバウンドしにくく、痩せやすい食行動を定着させることもできます。

ダイエット停滞期の打開を一つのきっかけに、痩せやすいライフスタイルを手に入れましょう!

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