ホットヨガと常温ヨガはどっちがいい?効果に違いはあるのか

PR

空前のヨガブームの中、これからヨガを始めてみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

ヨガを行う目的は色々あると思いますが、ダイエットやボディメイクを目的にしている場合、体温や代謝、発汗量の向上をうたう「ホットヨガ」は魅力的な選択肢の1つですね。

それにしても、ヨガとホットヨガは根本的に何か違いがあるのでしょうか?

あるとしたらどんな違いなのか、気になります。

そこでここでは、ヨガとホットヨガの歴史を踏まえながら、両者の違いと共通点を整理してみたいと思います。

特にホットヨガの方法や効果効能、そして難易度や安全性などに触れていきます。

両者の相違や特性を知ることで、自分にあったヨガ選びの参考にしてください。

常温ヨガ・ホットヨガの歴史

ヨガの起源

ヨガの起源は、紀元前2500年頃のインダス文明にあると考えられています。

「ヨガ」という言葉が文献中に明確に認められるのは、紀元前300〜350年頃で、この頃ヨガが修行法として確立されたと考えられています。

時代は下り、2〜4世紀頃インドの哲学者パタンジャリが「ヨーガ・ストーラ」を編纂しました。

「ヨーガ・ストーラ」はヨガを体系的にまとめた最古の経典と考えられています。

「ヨガ」といえば、体を柔らかく使ったポーズをイメージしますが、「ヨーガ・スートラ」は、「瞑想」と「座法」を中心にしています。

どう生きるべきかを探し悟りを開く、つまり精神性を主体においたものでした。

こうしたヨガが大きな変化を見せるのは、12~13世紀頃生まれた「ハタ・ヨガ」以降です。

ハタ・ヨガは、瞑想と座法に加え、動的なポーズ(アーサナ)と呼吸法(プラーナヤーマ)を組み合わせることで、精神と身体の一体化、心身のバランス向上を目指しました。

つまりハタヨガは、「精神性」を中心に置いたそれまでのヨガに「身体性」を導き入れたのです。

このハタヨガが、基盤になって現代ヨガが誕生しました。

現代のヨガ

多種多様に存在するヨガは、古典的なインド式の流れを汲むものと、アメリカで1970年代に流行した現代ヨガから発展したものに分けられます。

1900年代後半、身体運動としての要素を強調したヨガがアメリカ、イギリスを中心に流行しました。

現在、「ヨガ」としてスタジオで一般的に行われているのは、この流れにあるヨガのスタイルです。

現代ヨガは瞑想的要素よりも、身体運動や技法の部分によりフォーカスし、フィットネスと融合することで、多くの愛好家を生みました。

現在、世界のヨガ実践者の推計は、2億5000万人と言われています。

ダイエットやボディメイクなどフィットネスと結びつくことで、ヨガはその裾野を広げて行ったのです。

ホットヨガの元祖ピクラムヨガ

そうした現代ヨガの一つに「ホットヨガ」があります。

1970年代、インド人のピクラム・チョードリー氏により考案された「ピクラムヨガ」が、いわゆる「ホットヨガ」の元祖に当たります。

ピクラムヨガは、ハタヨガを起源に持つ現代ヨガのひとつです。

他の現代ヨガとの決定的な違いは、室温40度前後、湿度55%~65%の間に設定した環境下でヨガを実践することにあります。

いわゆるホットヨガのスタジオは、こうした高温でヨガが行える環境を準備していますが、「ピクラムヨガ」と「ホットヨガ」は厳密には同じものではありません。

「ビクラムヨガ」は、「ビクラムス・ヨガ・カレッジ・オブ・インディア社」とその下部組織により認定された指導者のレッスのみを指します。

そのため「ホットヨガ」を掲げているスタジオは、ピクラムヨガに類した環境でヨガを行いますが、ピクラムヨガと同じコンテンツではなく、スタジオ独自のレッスンが行われています。

ホットヨガとピクラムヨガの違い

元祖ホットヨガであるピクラムヨガは、90分間に26個のポーズ(アーサナ)と2つの呼吸法によって構成されています。

26種類のポーズと2つの呼吸法を、毎回同じ順番で行います。

指導者が変わっても、このシークエンスが変わることはありません。

毎回同じシークエンスを行うことで、自分の体の変化やコンディションに対する気づきがあると考えられているためです。

一方、ホットヨガは指導者やスタジオごとにレッスン内容も難易度も異なります

ピクラムヨガで行うポーズも入っていますが、ピクラムヨガのシークエンスには縛られてはいません。

またホットヨガはクラスごとに時間も違います。

一般的には、ピクラムヨガより短く、50〜60分程度のレッスンが多いようです。

常温ヨガと比べてのホットヨガの特徴

常温でのヨガと比べて、高温下で行うホットヨガにどのようなメリット・デメリットがあるのか。

ホットヨガのスタジオは、室温が40度前後あるため身体が温まりやすいというメリットがあります。

そのため、冷え性がひどい人や、普段あまり動かないために新陳代謝が悪くなっている人に最適と言われています。

発汗によるデトックス効果

また、ホットヨガに期待できる効果の一つに大量の発汗による「デトックス効果」が上げられます。

私たちは、汗をかくことで体温調節を行うだけでなく、老廃物を排出します。

皮膚の毛穴に詰まった古い角質や、過剰に摂取した塩分やカリウムなども排出されます。

新陳代謝が上がり、老廃物を上手に排出できれば、むくみも解消も期待できます。

このように体内の滞りをなくすことは、美容や健康面でのメリットを大いに感じます。

発汗とダイエット

ではダイエット効果という点ではどうでしょうか?

発汗促進やデトックス効果が期待できるホットヨガは、ダイエット目的の方には魅力的に映るのではないでしょうか?

ホットヨガに限らず、「発汗して痩せる」ことをうたうダイエット商品なども良く目にします。

しかし、発汗することと「痩せること」は決して同義ではありません

ホットヨガは大量の汗をかくため、体重減少に効果的なイメージを持つ方も多いでしょう。

しかし「発汗による体重の減少」=「体脂肪の減少」ではありません。

大量の汗をかけば、一時的に体重は減ります。

私たちの体は、およそ60%が水、20%がタンパク質、残りが脂肪その他で構成されています。

つまり、私たちの体の半分以上が水なのです。

そのため、大量発汗により体内の水分が抜ければ体重は減ります。

水が抜けたことで数字の上で体重が減っても、体脂肪は落ちていないので、水を飲めばすぐに元の数値に戻ります。

ホットヨガのように、高い室温の中で運動をして体温が上がると、体は熱を下げるために汗をかきます。

発汗は体温調節ために起きるのであり、それに伴う消費カロリーは多いとはいえません。

私たちの体の中でもっとも熱を生み出すのは筋肉です。

運動を行なって筋肉が動くことで、エネルギーが消費されるのです。

体脂肪を燃焼して体重を落としたいなら、汗をかくこと以上にしっかりと筋肉を動かすということに重点をおくべきでしょう。

高温下での運動について知っておきたいこと

前述のように、ホットヨガは40度前後の高温でヨガを行います。

この高温により、筋繊維が十分に伸びて身体の柔軟性が上がるため、一般的なヨガに比べると、筋肉を傷めるトラブルが少ないと考えられています。

人が快適と感じる室温は20度~27度、ストレッチを行うための適温は28度~30度、筋トレの場合26度~28度です。

ちなみに日本体育協会は、気温が35度以上の環境での運動は、原則すべきでないとしています。

これに比べると、ホットヨガやピクラムヨガを行う40度前後という設定は、かなり高温であり、特異な環境下において身体活動を行うということを理解しておく必要があるでしょう。

ホットヨガの注意点

ホットヨガは、普通のヨガとは異なる注意点がいくつかあります。

  • 水分補給に気をつけないと、脱水症状を引き起こす可能性がある
  • 急激な温度変化を繰り返すことで、自律神経が乱れる可能性がある
  • 普通のヨガに比べて深い呼吸がしにくい
  • 体力のない人には、かなりキツイ運動となる
  • スタジオの衛生管理への不安

ホットヨガは、発汗効果を魅力の一つに掲げていますが、大量の発汗をしたら適切な量の水分補給を行わなければ危険です。

次のような症状が出たら、脱水症状の可能性があります。

  • 口の渇き
  • 唇の乾燥
  • 尿量の減少
  • 頭痛
  • 倦怠感
  • めまい
  • 吐気・嘔吐など。

脱水症状が進むと命に関わりますから、十分な量の水分補給を行い脱水を避けましょう。

水よりは、体液に近い濃度の電解質を含むスポーツドリンクなどが最適です。

頭痛やめまい、吐き気のレベルに達すると、医療機関での点滴が必要になってしまいます。

また寒暖差の激しい環境にいると、私たちの体は温度差に対応するために「寒暖差疲労」を生じ、自律神経が乱れることがあります。

自律神経が乱れると、冷えや肩こり、めまい、顔のほてり、食欲不振など、さまざまな不調を引き起こす可能性があります。

温度の変化に弱い人(冷暖房に弱い、室温が高いと気分が悪くなるなど)がホットヨガに取り組む場合は、注意が必要かもしれません。

温度が高くなると、私たちの体は発汗などにより熱を放出します。

これを「体熱放散」と言います。

発汗だけでなく、呼吸数の増加などによっても体熱の放散を行います。

高温のために呼吸数が増えると、必然的に呼吸が浅くなります。

しかし、ヨガにおいて深い呼吸は重要な要素です。

ヨガの基本の呼吸法である「腹式呼吸」には、副交感神経を活発にし、心身をリラックスさせる効果があります。

この深い呼吸を阻害するほど高温の環境は、ヨガを行うのに最適とは言えないでしょう。

また高温のスタジオは、雑菌が繁殖しやすいため衛生面が気にかかります。

ホットヨガのスタジオ選びは、衛生面もチェックしておきたいですね。

常温・ホットヨガ FAQ

大差ない。消費カロリーの差は「どれだけ運動したか」で決まるので、室温の影響は誤差。汗をかいた方が消費カロリーが多そうに感じるのは思い込み。仮に温度が高いほどカロリーを消費するのであれば、毎年夏になるたびみんな痩せてしまう。

結論:どっでもいいで続けられる方を選ぶ

ヨガをどのような目的で行うかによって、ヨガのタイプやスタジオの選択基準は変わってくるでしょう。

例えばリラクゼーション目的ならホットヨガはフィットしないかもしれませんし、新陳代謝アップならホットヨガがぴったりかもしれません。

具体的な消費カロリーだったり健康効果の違いは、個人個人の取り組み方や体質による影響がほとんどであり、常温かホットかの違いは誤差みたいなものです。

よって、一番いいのはどっちも体験してみて楽しく続けられそうな方を選ぶのが最適です。

あなたがヨガに求めるものを叶えてくれるコンテンツ、そして環境を兼ね備えたスタジオをぜひお選びください。

タイトルとURLをコピーしました