RM法とは?筋トレで効果のある限界負荷の重量・回数の決め方

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筋トレRM法

『トレーニング方法は分かったけど、何回やればいいの?』

こういう質問を受けることがあります。トレーニングになじみがある人の中では常識のRM法というものがあります。

健康グッズのテレビ通販なんかで使われる『10回でOK♪』というのと、トレーニーが『10回(10RM)やる』というのでは全く意味が違います。

これを理解すれば、筋量を増やしたり筋力アップに効果的なトレーニングが行えます。

RMとは何か?から目的別のRMの使い方まで書きます。

RM法とは何か?

Repetition Maximum(レペティション・マキシマム)の略。最大反復回数という意味。繰り返して行える最大の回数です。

5RMは、5回はできるけど6回は出来ない負荷と言うことになります。まずはRMを理解するところからいきます。

同じ重さでも人によってかかる負荷は違う

負荷の違いについてです。ウエイトトレーニングはいかに筋肉へ刺激を与えるかであり、何キロ挙げるかではありません。

例えば、ベンチプレス50kgを挙げたとします。この場合、僕とあなたとでは筋肉にかかる刺激は異なります。最大で50kg挙げられる人にとっては100%の筋力を使っているけれども、僕は100%使い切っていないので刺激が少なくなります。

これはマラソンでも一緒。同じ5kmという距離を走ったとしても、走るペースや走る人の体力によって負荷が変わりますよね。

筋力の向上を目的とする場合は、現在の筋力の限界の負荷をかけるようにトレーニングをすることが前提です。 ただ、限界とは限界の重さのことではありません。

重さ×回数が自分の限界の負荷になるようトレーニングを行います。これがRM法です。

「重さ×回数×セット」ではなく厳密には「RM×セット」

例を上げます。

あるトレーニーがベンチプレス50kgを5回で1セット。これを3セットしたとします。この人にとっては、50kgは5回しか挙げられない。連続6回は無理。

この場合、5RMで3セット行ったことになります。この人にとっては5RMに値する重量がたまたま50kgということです。

その後、筋力が向上して50kgを8回挙げられるようになったとします。50kgという重量は8RMの負荷に下がります。

こうなると恐らく55kgを5回は出来るでしょうから、5RMに値する重量が50kgから55kgに増えたことになります。

限界=重量×回数

限界までやる。これ重要。といいますか、これが前提です。

  • 50kgを連続5回上げたけど、次はつぶれてしまうかもしれない。これが限界。(5RM)
  • 60kgは2回でもう無理。3回とか絶対無理。これも限界。(2RM)
  • 30kgにしたら12回出来たけど、13回目は自信無いから辞めとく。同じく限界。(12RM)

このように重さと回数で限界まで行うのがRM法です。ここまでで、RM法とは何か理解いただけましたでしょうか。では続いて、RM法の使い方に移りますよ!

RMの使い方

RMの具体的な使い方です。

目的によってRMを変える

どれも限界まで行うことは書きましたが、重量×回数の組み合わせで有効性が異なってきます。

  • 最大筋力アップ:1〜4RM
  • 筋肥大:5〜14RM
  • 筋持久力アップ:15RM〜

それぞれ、最大筋力しか向上しないとか、筋肥大しかしないということではありません。あくまでも、その目的に向いているということです。

それぞれ詳しく説明します。初心者にが取り組むべき順番に書きます。

【筋持久力:15RM〜】

本当の初心者はコレから初めてください。最大筋力の70%以下で行うため怪我のリスクが小さいです。 筋力ではなく、持久力で限界を迎えるイメージです。

ただ、20回も30回も出来る重量ですと自重トレーニングと同じなのでウエイトトレーニングの意味がありません。少なくとも腕立て伏せなんかではかけられない負荷をかけてやりましょう。

慣れてきたら、これをウォーミングアップとして使って次に進みます。

【筋肥大:5〜14RM】

最大筋力の70%〜80%台で行うもの。回数の幅が広いですが、8〜12RMで行う場合が多いです。1〜4RMに比べて筋肉の力を使い切りやすいです。僕のイメージだと、最高に筋肉痛になるのがこれです。

初心者〜中級者にオススメなのも8〜12RMです。10回挙げられるかどうか微妙なくらいの重さでトレーニングしてください。これでトレーニングしておけば、しばらくは筋肥大もするし筋力もアップします。

同じ重さで12回以上出来るようになってしまったら、2.5kg〜5kgくらい重量を増やしてみると良いと思います。ウエイトに慣れてきてから、目的に応じて最大筋力アップに挑戦してみるといいかもしれません。

【最大筋力アップ:1〜4RM】

最大筋力の向上が目的の場合は、可能な限り最大筋力に近い重量でのトレーニングを行います。5回以上挙げられる重さでは軽すぎます。最大筋力の90%以上を使う感覚です。

これは単純に筋肉へ刺激を与えるだけではなく、運動神経への刺激も目的とします。 運動神経というのは、球技が上手いとかではありませんよ。脳ミソが各筋肉に「動け!」と命令を伝達するための神経です。

神経系も鍛えないと本来の筋力を使い切れません。運動神経も鍛えているということを頭の隅に置いておきましょう。

本来の筋力プラス、それを何%引き出せるか(運動神経)が最大筋力です。ただ、いきなり1RM(自分のMAX)には挑戦しない方がいいです。怪我します。徐々に重さを加えていきましょう。この辺はトレーニングをしている内に分かってきます。

%1RM法というものもある

途中、最大筋力の70%とか80%とか出てきましたが、それです。

最大筋力の何%でトレーニングを行うかというもの。100%は1RM。

4RMでやるのを、1RMの90%でやると言うだけ。言い方の違いですね。 やることは同じです。

RM換算表・式

RMの式

公式:(最大重量)=(使用重量)×{1+(reps÷40)}
※諸説あり

使い方の例。

  • 最大重量が100kgだと、80kgなら10回挙げられるはず
  • 50kgを10回挙げられる人は、最大62.5kgは挙げられると思う

こんな感じで使えます。あまり使う必要性が無いと思いますが、興味がある人は目安として使ってみてください。

電卓叩くのが面倒な人はコチラ↓

あくまで、目安なので数値に誤差はあります。筋トレしてれば自分でどのくらい挙がるか分かります。

ちなみに僕はこれをトレーニングに活用したことなんてありません。電卓たたいてても筋肉は増えません!

Repetition Maximum法まとめ

何が言いたいかまとめると2つ。

  • RMを使って限界のトレーニングをすることが前提。
  • 目的に応じてRMを変えるといいよ。

誰かに「筋トレって何回やるの?」と聞かれたら教えてあげてください。

「何回じゃない。RMだ。」ってね。

伝わらないと思いますが(笑)

では!

リハビリ・臨床にも使用されるRM

筋力維持と増強のための治療法としてRMが出てくる論文があったので紹介。

①過負荷の原則
通常使用する筋力よりも高い負荷を課さなければ筋力増強は期待できない.そのためにはøRM(ørepetitionmaximum:øRM)を計測したうえで,適切な負荷を設定する必要がある.

②漸増負荷の原則筋力
増強運動により筋力が増えた場合,負荷を再設定する必要がある.筋力増強運動を行う前に必ずøRMの計測を行ったうえで,その日の負荷を設定することが原則として望ましい.

筋力維持には最大筋力の20~30%以上の負荷、筋力増強には最大筋力の40~50%以上の負荷が必要とされる

引用:筋力増強運動の基本と実際(PDF)

みたいなことが書いてあるので興味ある人は御覧ください。

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