筋トレとアルコール|悪影響はあるが飲酒しても問題ないと思う理由

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筋トレアルコール酒

トレーニングにより体重マネージメントや筋肉量向上に専念している人の中にも「お酒好き」の人は多いと思います。

運動も何もせずに、お酒をがぶ飲みしていたら体に悪いというのは明白ですが、しっかりとトレーニングしている人がお酒を飲む場合はどうでしょうか?

お酒は食欲を増進させ、リラックス効果をもたらしコミニュケーションを円滑にするなど、適量であればメリットがあります。

しかし、トレーニングをして筋肉を増量したい、運動パフォーマンスを上げたい、体を引き締めたい、そのような望みを持つ人にとって、アルコール摂取はどのような影響をもたらすもか。

結論としては「お酒は筋肉に悪影響はあるが、別に飲んでも問題ない」と思ってます。ごく一部のケースを除いて気にしすぎる必要はありません。

アルコール摂取がトレーニングに与える影響を知ったうえで「まぁ、普通に飲んでも大丈夫でしょ」と言える考えをまとめます。

飲酒・アルコールのメリット・デメリット【一般論】

一応一般的に確認されているアルコールの効能を知っておきましょう。

筋肉に関する具体的な影響は後半で。

お酒のメリット

  • 楽しい
  • 気持ちいい
  • ゆえに美味い

以上。

「食欲増進」とか「ストレス緩和」とか「血行促進」とか医学的に認められている効能もありますが、別にそんなことを求めて飲んでいるわけじゃない。

楽しいから飲む、酔っ払って気持ちいいから飲む。それだけや。合法ドラッグや。

お酒のデメリット

お酒の楽しさと引き換えに負うリスクをチェック。

アルコールの摂取には次のようなデメリットがつきまといます。

  1. 肥満
  2. 脱水
  3. 栄養バランスの乱れ
  4. 睡眠障害
  5. 肝臓への負担

肥満

最近では、糖質オフのビールや発泡酒を多く見受けます。

「アルコール=太る」という観点から、カロリーオフや糖質オフが選ばれる傾向にあるのでしょう。

アルコールにはカロリーがあります。

1g=7kcalと考えられています。

ですがアルコールそのものは体内に入るとすぐに熱になるため消費されやすく、実質的には1gあたり5kcal程度とも言われています。

しかしアルコール飲料になると糖分を含むので、カロリーはアルコールそのものよりアップします。

この点に着目するとアルコールそのもののカロリーだけでなく、アルコール飲料に含まれる糖分の影響が見逃せません。

また、アルコールによって太るのはアルコールを摂取することで食欲が増進し、結果的に総摂取カロリーが高くなることも挙げられるでしょう。

脱水

アルコールは利尿作用を持ちます。そのため、飲酒をすると脱水症状を起こしやすくなります。

体が機能するためには電解質が正常なバランスを維持しなければいけません。しかし、飲酒により脱水を起こしてしまうと、電解質バランスを崩してしまいます。

スポーツ後のビールを楽しみにしている人が稀にいますが、スポーツ直後の飲酒は脱水のリスクを高めます。

栄養バランスの乱れ

アルコールを飲むと塩辛いものや、脂っぽいものが欲しくなるという人も多いのではないでしょうか。こうした味覚・食欲へのアルコールの影響は、適正な栄養バランスを乱すというデメリットにつながります。

アルコールと一緒に高カロリー・高脂質の食事を摂取すると、体はまずアルコールの分解を優先させるので、脂肪が体につきやすい状態になってしまいます。

また、アルコールはそれなりのカロリーを持っていますが、栄養素に乏しく体づくりにはメリットになりません。

それに加え、アルコールはビタミンB1やB12、亜鉛などのビタミン類やミネラル類の吸収を妨げます

ビタミンB1は糖質の代謝に関わります。亜鉛はエネルギー代謝に不可欠です。

糖質・エネルギー代謝に関与するこれらの栄養成分が不足すると、エネルギー代謝が悪くなるため、疲れやすくまた太りやすくなり、スポーツの際の持久力にも悪影響を及ぼします。

睡眠障害

寝酒はあまりお勧めできません。

アルコールにより起こる脱水が、正常な睡眠リズムを乱し良い眠りを得ることができなくなってしまうためです。

良い眠りが得られなければ、体の回復に悪影響を及ぼします。

また睡眠中に分泌される成長ホルモンの分泌量を減少させる可能性があります。

せっかく体の疲れを癒やすための睡眠なのに、アルコールの分解に労力を割くことになります。

肝臓への負担

アルコールは肝臓に負担をかけます。

アルコールが体内に入ると胃で20パーセント、小腸で80パーセント吸収され、肝臓で酵素により有害なアセトアルデヒドに分解されます。

アルコールを摂取すると、アルコールを分解するために肝臓の仕事量が増えてしまいます。

肝臓の仕事
  • 体に有害な物質を解毒・分解して処理する解毒・排泄機能
  • 脂肪を消化する胆汁という消化液を作り、胆管から十二指腸に排出
  • 糖質の貯蔵
  • たんぱく質の合成 など

アルコールのせいで、筋肉に必要なタンパク質の合成などの仕事が後回しになってしまうのです。

アルコール摂取の筋肉への影響

健康に対する一般的な観点からアルコールの影響について考えてきました。

ここからは筋肉を増強したい人にとって興味関心の高い、「筋肉へのアルコールの影響」に注目してみたいと思います。

ホルモンの影響で筋肉の分解(破壊)のリスク

大量のアルコール摂取は、急性アルコール筋症(ミオパチー)と呼ばれる筋肉の破壊に繋がることがあります。

また、大量のアルコール摂取は、筋力の低下や筋繊維の部分壊死が生じるという報告もあります。

また、長期にわたって高頻回の飲酒を行った場合、次第に筋力が低下して、筋肉の萎縮が起きます。

これは飲酒に伴う成長ホルモンの分泌量の低下が主要な原因だと考えられています。

コルチゾールというストレスホルモンが増加することも原因みたいですね。

やはりアルコールの摂取は適量で、常飲は避けるべきという通念を守るべきでしょう。

遺伝的にアルコール耐性が低いので悪影響が出やすい

「アルコールは適量を」と言いますが、「適量」とはどの程度の量を指すのでしょうか。

アルコールを摂取すると酵素の働きにより肝臓で分解されます。

このアルコールを代謝するアルコール脱水素酵素は遺伝の影響を受けており、日本人は欧米人よりも低活性の場合が多いようです。

簡単に言えば「酒に強くない」のです。

厚生労働省による国民健康づくり運動「健康日本21」によると、「節度ある適度な飲酒」は純粋なアルコールで1日約20g程度とされています。

ビールで言えば中瓶1本(500ml)程度にあたります。

ただし、「少量の飲酒で顔面紅潮を来す等アルコール代謝能力の低い者では通常の代謝能力を有する人よりも少ない量が適当である」と言う留意点も指摘されています。

自身の体質を考慮した飲酒を行いましょう。

参考|アルコールを遺伝子

アルコールでテストステロンが減少する可能性

アナボリックホルモン(筋タンパクの合成を促すホルモン)の1つに「テストステロン」があります。テストステロン=男性ホルモンという言い方をすることがありますが、女性にも存在するホルモンです。

男性の場合はその95%を睾丸で、残りの5%は副腎で生成、女性は脂肪や、卵巣、副腎で生成します。筋肉や骨格形成などに欠かせないホルモンですが、加齢とともに減るため、筋トレを行って筋肉量を増やしたい人にとっては、分泌量を向上させたいホルモンです。

ところが一般的に飲酒はこのテストステロンの分泌を抑制すると考えられています。

スポーツパフォーマンスを向上させたい人にとって、アルコール摂取の問題点として、テストステロンの分泌抑制は見逃せません。

ところが、これに関してもアルコール摂取量との関係があるようです。

少量のアルコール摂取の場合、血中のテストステロン値が増える可能性を示唆する研究もあります。

一方で、痛飲(めっちゃたくさん飲む)はテストステロンを減少させるという研究もあります。通常の範囲での飲酒は、テストステロンの減少と直結はしないようです。

が、ビール好きは注意が必要です。

ビールの原料のホップには「8-プレニルナリンゲニン」という女性ホルモン様物質(女性ホルモンに似た作用を持つ物質)が含まれています。

この物質はテストステロンの分泌を阻害する可能性が指摘されているので、ビール一辺倒の人は他の種類のお酒に変えてみると良いかもしれません。

筋トレ効果を失わない飲酒作法

アルコールのデメリットを並べると「トレーニングのためにはアルコールに近づかないのが一番」という結論になってしまいます。

しかし、逆に言えばアルコールのデメリットを知りそれを回避するような呑み方を心がければ、お酒の楽しみをあながち否定する必要はないでしょう。

飲酒による悪影響になるべく抗うための呑み方のポイントを整理して起きます。

蒸留酒を選ぶ

アルコール飲料に含まれる糖質によるカロリーの過剰摂取を回避するには、糖質の少ない蒸留酒(焼酎・ウイスキーなど)を選択するのも良いでしょう。

ただし、お酒を割るために糖質の多いジュースなどを使うのはNGです。

水を一緒に飲む

飲酒に伴う脱水を回避するためには、お酒と一緒に十分な水も摂取するようにしましょう。

トレーニーなら飲みに行く前にプロテイン一杯くらい腹に入れておきましょう。

おつまみは低脂肪高たんぱく

アルコールによる栄養バランスの乱れを回避するためには、低カロリー、高たんぱくのおつまみと一緒に呑みましょう。

また空腹での飲酒は回避しましょう。アルコールは胃からも吸収されるので、空腹を避けておいた方が懸命です。

ビールだけ飲まない

ホップに含まれる女性ホルモン様物質の影響を避けるために、ビールの過剰摂取は避けましょう。

糖質を気にしている場合は蒸留酒を選ぶと良いですね。ハイボールとか焼酎です。

適量を心がける(できる人は)

自分の体質を考慮して、適量の飲酒を心がけましょう。要するに、過度の飲酒を避け適量を守ることが最重要となるわけです。

参考までに、以下に「適量」とされる酒の目安量とカロリーを各アルコール飲料ごとに掲げておきます。

また、カロリーが低めで高たんぱくのオススメおつまみとNGおつまみを示しておきます。

お酒の席での選択に役立ててください。

目安量一覧
ビール 中瓶1本・500ml 200kcal
日本酒 1合・180ml 187kcal
焼酎(甲類) 0.5合・90ml 185kcal
焼酎(乙類) 0.5合・90ml 131kcal
ワイン グラス1杯・120ml 88kcal
ウイスキー グラス1杯・120ml   142kcal
おつまみ一覧
おすすめ 刺身・枝豆・野菜サラダ・スティック野菜・冷奴・赤身ステーキ・焼き鳥・ナッツ類など
NG  唐揚げ・フライドポテト・ピザ・イカリングなどの揚げ物・スペアリブなど

筋トレする人でも飲酒して問題ない

一般論として言えばお酒はデメリットだらけではありますが、そこまで気にする必要はないと思っています。

筋トレの効果が減るとしても、10が7になるくらいなもので、筋トレした意味がゼロになるわけではありません。

  • 筋トレ+禁酒:プラス10
  • 筋トレ+飲酒:プラス7
  • 筋トレしない人:ゼロ

そもそも筋トレせず飲酒だけする人に比べたら余裕でプラスなわけで。

お酒飲む人は筋トレしてもしなくてもお酒は絶対飲むと思うので、筋トレしない人に比べたらかなり健康体を維持できているはずです。

そもそも筋トレをする目的は、健康やボディメイクにより人生をより楽しく良いものにすることです。

お酒が楽しみなのであれば、それを制限するのは本末転倒です。

とは言え、お酒の楽しみとトレーニング効果の向上を両立させるためには、セルフコントロールが重要です。

日々のトレーニングや栄養摂取の努力を台無しにしないためにも、セルフコントロールして飲酒を楽しみましょう!

筋肉のために禁酒するケース

どうしても禁酒した方がいいケースはごく一部だけです。

  • プロのアスリートであり、飲酒の影響による損失が大きい場合
  • ボディメイク関連のコンテストに出場する人の減量期

このくらいだと思います。

それ以外の一般人であれば、何か問題が無い限りは禁酒する必要性は低いです。

例えば、数ヶ月トレーニングしているのにボディメイクが進まないとか、筋力が向上しないといった問題があった場合に「試しに一ヶ月くらい禁酒してみる」という実験はありだと思います。

禁酒したことで良い効果が現れたら、お酒の悪影響があったことがわかります。もしかすると禁酒しても変らないかもしれない。

こんな感じで「明らかにお酒による悪影響をなくす必要がある場合」と「お酒による悪影響を確かめたい場合」だけ禁酒する。

それ以外は普通に飲んでも問題ないでしょう。

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