越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)のダイエット効果

越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)のダイエット効果 食事・栄養

西洋の医学では、病気の症状を部分的・集中的に治療します。

そのため、胃腸科・耳鼻咽喉科・泌尿器科など体の部位ごとに、それぞれの専門分野で治療が行われます。

それに対し漢方は、その人の不調を全体的に捉えて治療が行われます。

そのため、検査では現れにくい不調=不定愁訴やめまい、冷え性など体質の改善も期待されています。

このような特徴を持つ漢方は、ダイエットをサポートするものとして大きな期待が寄せられています。

痩せて体脂肪を落とすには、運動と食事療法が基本です。

ですが、痩せにくさを生じさせている体の不調を改善することができれば、運動と食事療法の効果も現れやすくなります。

ここでは、体質改善に働きかけ、ダイエットをサポートする漢方薬の一つとして越婢加朮湯について考えてみたいと思います。

 

 

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そもそも漢方とは

日本漢方の基礎となった古代中国の医学は、約3000年前に誕生しました。

世界の伝統的な医学の中で、古代中国医学、古代インド医学(アーユルヴェーダ)、イスラム伝統医学のユナニ医学は世界三大伝統医学と呼ばれています。

古代中国医学は朝鮮を経由して日本に伝来し、漢方医学として日本の風土や文化の中で、独自の発展を遂げました。

明治以降、近代化の流れの中で、漢方医学は衰退の危機にさらされました。

しかし近年では西洋医学以外の代替医療が見直され、西洋医学と融合させた統合医療という観点からも漢方は注目を集めています。

漢方における肥満とは

漢方では人間の体を構成する要素を「気・血・水」で捉え、そのバランスが崩れると病気になると考えられています。

気力や元気など人間活動の源となる「気」、臓器に栄養を与える「血」、体に潤いを与える血液以外の体液「水」。

このバランスが崩れると、不調が生じます。

漢方の考えでは、肥満も「気・血・水」のバランスで捉えます。

このバランスを整えて、痩せやすい体質にすることを目的に、漢方薬を使うのです。

ただし、漢方薬を飲めば、即痩せるというわけではありません。

あくまでも漢方薬は、痩せることを邪魔している体の不調を改善することに有効なのです。

越婢加朮湯とは

越婢加朮湯は、漢時代の『金匱要略』(きんきようやく)に出典があります。

正気(体の抵抗力)が充実した人の、熱証(炎症)、湿証(水分停滞)に適応します。

胃腸の弱い人や発汗が多い人にはフィットしません。

炎症の発散という特徴により、関節の熱や腫れや痛みを取る効果が期待でき、関節炎、関節リウマチ、粘膜の腫れである花粉症にも使用されます。

ダイエットのサポートという面から見ると、水分調整という点が注目に値します。

つまり「水」の乱れで体の不調を起こし、痩せにくい体内環境になってしまっている人に有効です。

同じく、水分調整に有効でむくみに効く漢方薬に五苓散がありますが、使い分けのポイントは、

  • 熱感を伴う(または、暑がり)
  • 冷水を飲みたいと感じる
  • 汗が出るけれども尿量が少ない

このような場合には越婢加朮湯を選択すると良いでしょう。

越婢加朮湯に配合される生薬

越婢加朮湯には、次の5種類の生薬が配合されています。

  •  麻黄 :マオウ科シナマオウなどの茎。
  •  石膏 :天然の含水硫化カルシウム
  •    蒼朮 :キク科ホソバオケラなどの根茎
  •    大棗 :クロウメモドキ科ナツメの果実
  •    甘草:マメ科カンゾウなどの根
  •    生姜:ショウガ科 ショウガの根茎

麻黄には「利水消腫(りすいしょうしゅ)」と呼ばれる薬能があります。

利水=水分代謝を良くし、消腫=腫れをとる作用が期待されています。

また、発汗作用を持ちます。

そのため、体の抵抗力がある健康時には、代謝促進作用を期待して利用されることもあります。

麻黄は、エフェドリンやフラボノイド、タンニン、サポニンなどの有効成分を含んでいます。

中でもエフェドリンは、交感神経を刺激するアドレナリンに似た働きを持っており、心臓や肺、神経組織に働きかけます。交感神経の興奮作用以外にも気管支の拡張作用や抗炎症作用など様々な働きがあります。

薬としてエフェドリン医療薬の原料になっています。

アメリカではダイエットや筋肉の増強、代謝アップなどが期待できるとして麻黄を用いたサプリメントが注目を集めました。

いわゆる痩せ薬として人気を博したのですが、その一方で、不整脈や心臓発作などの副作用による被害が発生したため、2004年4月にFDA(米国食品医薬品局)により、サプリメントとしての販売は禁止されました。

日本でも麻黄は医薬品としてあつかわれ、地上茎を食品として流通することは禁止されています。

麻黄を配合する漢方薬は越婢加朮湯以外にも、薏苡仁湯、五積散、五虎湯、小青竜湯、桂枝芍薬知母湯、葛根湯など数多くあります。

抗うつ剤を服用している方、心臓に疾患のある方、高血圧や緑内障の方は摂取を控える必要があります。

神経を刺激する効果があるためドーピング対象物質でもあります。

競技スポーツを行う人は、服用に注意しましょう。

麻黄以外の生薬の主な働きは以下の通りです。

石膏は熱をとって体を冷やす作用を持ちます。

解熱作用、消炎作用、止渇作用があり、熱をとる作用が強い寒性薬です。

蒼朮は、主として水分の代謝異常を治します

頻尿、多尿あるいは尿が出にくい場合に有効です。

生姜(ショウキョウ)は、ショウガ科のショウガの根茎を乾燥したものです。

漢方的には発汗作用、健胃、鎮吐などの効能があり、感冒(かぜ)、嘔吐、食欲不振などにも用いられます。

大棗は緊張の緩和、強壮、鎮静、利尿、滋養、補血などで、筋肉の急な緊張による疼痛をやわらげ、神経過敏を静め、咳、腹痛などの痛みを緩和します。

これらの生薬が組み合わさることにより、体内の熱や余分な水分を発散する効果が発揮されるのです。

代謝促進とダイエット

越婢加朮湯は麻黄や生姜などの働きにより、代謝促進や発汗効果が期待できます。

私たちは、じっとしているときにもエネルギーを消費しています。

これを基礎代謝と言います。

基礎代謝量は私たちが生命維持のために消費する必要最小限のエネルギーのことです。

安静にしている状態でも、内臓を動かしたり体温を維持したりするためにエネルギーは消費されているのです。

この基礎代謝量が低下すると、痩せにくくなったり血液の循環が滞ったりする可能性があります。

基礎代謝は筋肉量に比例して増減します。

筋肉量が多い方が基礎代謝量も多くなります。

そのため、基礎代謝量をアップするには、運動を行なって筋肉量を増やすことが大切です。

また、食べ物などで基礎代謝アップをサポートすることもできます

体温が1度上昇すると、代謝量は13%上昇すると考えられています。

そのため、体を温める食べ物を食べて、血行をスムーズにすることで基礎代謝が上がりやすくなります。

運動に加え、発汗作用や代謝促進作用を持つ越婢加朮湯を取り入れることで代謝の高い状態をキープすれば、ダイエットの後押しになることでしょう。

むくみ解消とダイエット

越婢加朮湯は水分代謝の促進に有効です。

むくみが生じ、体内の水分代謝が悪くなると、ダイエットにストップをかけてしまいます。

体内で、余分な水分や老廃物が排出されずに溜まってしまうと、酸素や栄養素の運搬を妨げ、代謝を悪くします。

代謝が悪くなると、脂肪細胞が燃焼されにくくなり、脂肪細胞に排出されずに溜まった老廃物や余分な水分がこびりつくようになります。

これにより、セルライトができてしまいます。

セルライトは脂肪細胞が肥大して起こるものですが、脂肪細胞が肥大する原因になるのが、むくみにより排出されなかった水分や老廃物なのです。

セルライトに変わってしまう前に、むくみを生じさせない体内環境にすることが大切です。

むくみを寄せ付けない体質を作るための選択肢の一つが、越婢加朮湯です。

もちろん運動習慣をつけて筋肉量を落とさないことや、体を冷やさないように配慮することなど基本的な生活習慣の改善を心がけながら、漢方薬の力をプラスすることをお勧めします。

まとめ

漢方薬は、ダイエットのために運動や食習慣など、生活習慣の改善しながら併用することで、そのパワーを発揮します。

また、自分の体質にフィットした漢方薬の処方を選択する必要があります。

より効果的に漢方薬を用いるために、専門家のアドバイスを受けてみるのも良いでしょう。

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