EPOC (運動後過剰酸素消費量) とは|筋トレ・運動後もエネルギーが消費される

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EPOC (運動後過剰酸素消費量)

日本ではまだ認識の薄いEPOC (Excess Post-Exercise Oxygen Consumption) 運動後過剰酸素消費量は、欧米では筋トレ・ダイエットにより効果があるといわれジムに通う多くの人が取り入れています。

「運動しながらカロリーを消費する=有酸素運動が効果的である」と考える方が多いと思いますが、このEPOCでは、「朝60分ジムで運動した日は、一日中カロリーの消費率が増える」というコンセプトです。

激しい運動をして心拍数を上げることでカロリーを消費する、という論理は一般的ですが、EPOCは「運動を終えた直後から、消費した酸素を身体が取り戻す間もカロリーを消費し続ける」と言われています。

それでは一体EPOCとは何なのか?実際にどのように取り組むとより効果的なのか、見てみましょう。

EPOCとは?

EPOCとは

Excess Post-Exercise Oxygen Consumption
運動後過剰酸素消費量
After burn(燃焼後)とも言われる

人間の身体は、激しい運動をすることで酸欠状態になった身体へ再び酸素を取り戻す働きをします。一度酸欠状態になった場合は、運動する前よりも運動後の方が酸素を消費する量が増えます。

この体内で行われる酸素を取り戻しているリカバリーの間は、運動前よりもカロリーの燃焼率が高いと言われています。

ジムでの激しい運動後や1時間以上運動した日に、身体の火照りを感じたり、いつもよりも深い呼吸をしていませんか?簡単に言えばそれがEPOCの状態です。

体内のエネルギー変化

運動生理学者 ネルソン教授によると、筋トレを開始し、例えば重量挙げをしたとして、まず初めに体内で変化するのがATP(Adenosine triphoshate/アデノシン三リン酸)-PC(Phosphocreatine/クレアチンリン酸)システムと呼ばれるエネルギーが、とても短い2秒から10秒間に上昇し下がります。

このエネルギーシステムは体内に溜まっているリン酸を分解することで、激しいエクササイズに効果的なエネルギーを作ります。

エクササイズを開始してまず燃焼されるエネルギーは炭水化物・糖質で、このエネルギーは開始後数分してから徐々に上昇し、運動終了とともに燃焼を終えますが、脂肪は全く逆の働きをしていきます。

脂肪が燃焼されるのは運動中ではなく、運動を終えてから始まり、簡単に言えば、ジムを去った直後から脂肪は燃え始めるのです。この燃焼が高まりはじめる状態がEPOCと呼ばれています。

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酸欠状態になった体内に酸素を取り戻す回復状態であり、もちろん個人差はありますが、この回復される間に消費されるカロリーは51~127Kcal と言われています。

筋トレをすることで体内に作られるエネルギーは、運動終了後にはEPOCによって脂肪の新陳代謝をおこなう働きに繋がっていきます。

EPOCの継続時間

ジムで運動した後に、自分の息が上がっている状態が治まると身体が通常に戻ったと思いがちです。

しかし身体が完全に回復する時間は、ベラ教授とクレビッツ教授のリサーチによると15分から48時間とかなり幅の広い結果が伝えられています。

また体内がEPOC状態の場合に新陳代謝率が過剰にあがり、13時間後には13%、16時間後には4%に下がった実験結果がありEPOCの回復時間が20時間近く続いている ことを表しています。

このような研究結果より、一般的なEPOCの考えは、酸素の消費量はエクササイズ終了後から24時間以内がもっとも上がるといわれているので、EPOCの効果はエクササイズ終了後から24時間 と言われています。

EPOCに効果的なHIITとは?

EPOCの影響があるのはエアロビック・有酸素運動および無酸素運動の両方と言われています。

有酸素運動は、ウォーキング・ジョギング・エアロビクスなど運動中にもっともカロリーを消費していきます。

無酸素運動は運動中のハイインターバルトレーニング( High-Intensity interval training以下HIIT)を繰り返すことによって、体内に無酸素状態を作り脂肪の燃焼率を上げ、運動後のEPOCにもっとも影響があるといわれています。

HIITは体内の最大酸素摂取量(以下VO2:Maximal oxygen consumption、過激な運動で消費される酸素の最大量のこと)を最大に上げ、体内のエネルギーによる酸素消費を可能にすると言われています。

これは運動により耐久性をあげるとともに、エネルギーや運動時間の持久力も高める効果があります。特に長距離選手は、効果的なEPOC運動を週に数回取り入れることによって、最後まで持久力を保つことができ、ラストスパートにつなげることが可能になるとも言われています。

自分の心拍数を最大限の70%から80%の状態で運動すると、EPOCの効果が最大にあわられる と、ゴンザレス ケリー氏(ロサンジェルスDaily Burn フィットネスエキスパート兼トレーナー)が言っています。

HIITとは、短時間もしくは激しい無酸素運動を少しの休憩を挟みながら繰り返し行うエクササイズです。

現時点でもっとも効果的であるといわれているHIITは「2:1 work-to-rest ratio」 といい、例として、4分間ダッシュし続け2分間休憩する、というパターンを30分間繰り返しておこなうようなエクササイズ です。
これが男女ともに一番効果があると言われています。

また、このエクササイズであれば、運動したくても60分以上ジムに費やす時間が無い、忙しい現代人もルーチン化しやすいでしょう。

それ以外にも短時間で集中的にできるタバタワークアウトはなんと4分間でおこなうエクササイズです。

これはランニング、バイク、縄跳び、ボックスジャンプ、腕立て伏せなど何でも良いので、とにかく20秒やり続けて10秒間休憩を8回を4分間 で行う。

コンセプトは2:1 work-to-rest ratioそのままですが、タバタでは4分間でEPOC状態 に身体をつくりあげます。

ウィスコンシン・ラクロセ大学の最近の研究では、タバタスタイルでは1分間で15カロリーを燃焼し、カーディオフィットネスの改善と体内構成の変化におけるフィットネス界のガイドラインとして注目されています。

HIITを始める前に頭に入れておいてほしいことは、より激しい運動をするほど身体が元の状態へ回復するのに時間がかかるので、HIITを毎日行うことは進めません

身体がEPOCの回復状態であるなら、ヨガ、ストレッチ、や軽めのカーディオなどで血行の良くする運動をすることで、リカバリーの働きを促進させるとも言われています。

EPOCまとめ

日本では運動を兼ねたダイエットというと、有酸素運動を基本とした20分以上のウォーキングやジョギングが効果的だと考える人が多いと思います。

有酸素運動は運動中に燃焼するカロリーは確かに効率的であるけれど、実際に体内で燃焼されているエネルギーが炭水化物・糖質がメインとなるので、減量を効果的にするには無酸素運動の方が効果的 だといえます。

無酸素運動は、時間に限りがあるけど運動をして減量をしたい現代人に向いている、短時間で脂肪の燃焼を可能にするエクササイズです。

心拍数を上げる激しい無酸素運動が体内に引き起こすEPOC状態こそが、運動中に燃焼されるエネルギーにプラスして、エクササイズを終えた直後から、回復期間に呼吸をしているだけでも脂肪が燃焼される身体 を作り上げるのです。

EPOCトレーニングは激しい運動だけあって身体のリカバリーの時間が15分から48時間 と幅広いため週に1、2回取り入れるだけでも、体脂肪率を効果的に下げることに繋がります

筋肉痛も一つのリカバリー状態であり、体内の筋肉細胞が分裂し筋肉を再生している証拠なんです。

この期間は無理してトレーニングするのではなく、ストレッチして血行を良くするだけで、脂肪は燃焼されています。

有酸素運動だけではなかなか下がらない体脂肪率ですが、このEPOCでは可能です。

運動していても体脂肪率が下がらなくて悩んでいる方は、EPOCトレーニングを試してはいかがでしょうか?

 

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